Amazon Web Services
本日は、Amazonが提供するクラウドコンピューティング•サービス「Amazon Web Services」のAmazon EC2を用いて、クラウド•サーバーを構築します。AWSは「初期投資を抑え低コストでサービスを開始できる」、「トラフィックに対応して柔軟にスケーラビリティが可能」、「99.95%の可用性、堅牢なセキュリティー」、などAWSメリットは上げれば切りがありません。
しかし、AWSは多種多様なサービスを展開しており、そのためAWSは一見複雑そうであり、なかなか実際に使ってみようと一歩を踏み出せない事実もあります。
そこで、今回は10分でAmazon EC2環境構築からPHP+mysqlインストール、動作確認をすることを目標に、説明事項を絞って解説します。
Amazon EC2環境構築
AWSサービス一覧
Services内容一覧、サービス項目は多いですが今回使用するのはEC2のみです。
①EC2を選択します。
EC2ダッシュボード
左のサイドバー、Actionsはサーバー構築後に使用します。
①EC2サーバーの所在地域を設定できます。自サイトへのトラフィック数が多い地域を選択します。日本でサービスを展開する場合は、通常Tokyoを選択します。
②Launch Instanceをクリックするとサーバー構築が開始できます。
新しいインスタントをつくる
EC2サーバーの構築方法を選べます。初めての方はClassic Wizardがオススメです。
①今回は、Classicを選択します。
OSを選ぶ
Amazon Linux、Red Hat Enterprise Linux、UbuntuなどのLinux各種、Windows Server、あらかじめ多様なOSがEC2には準備されています。用途に応じて、選んでください。
①AWS Marketplace対応済みであり、OS使用料が無料のAmazon LInux AMIがオススメです。用途に合わせてOSを選びSelectをクリックしてください。
スペックを決める
①構築するサーバーのスペックを選べます。自サイトのトラフィックに合わせて選んでください。サーバー構築後でも、簡単に処理能力のスペックアップ、分散処理によるスケールアウトができるため、とりあえず最もコストが低いT1 Microを選ぶと良いでしょう。
②サーバーの所在場所に応じて、Availability Zoneを設定できます。Tokyoの場合はap-northeast-1a、ap-northeast-2a、ap-northeast-3aが選べます。今回はap-northeast-1aを選びます。
③1,2を設定後、continueをクリックして次に進んでください。
オプションの設定
①EC2サーバー監視ツールのCloudWatch使用の有無を選択できます。CloudWatchをonにするとCPU消費量、通信量を簡単に確認できるようになるため、使用することをオススメします。
②EC2サーバーは簡単にterminate(削除)することができます。そのため、クリックする場所を間違えただけでEC2サーバーがterminateされてしまします。プロテクションにチェックを入れとけば、terminate実行プロセスを複雑化することができ、凡ミスによるEC2サーバーのterminateを防止することができます。
③EC2サーバーをシャットダウンした際の処理をStopまたはterminateのどちらのにするか設定可能です。Stopに設定するのが無難です。
④1,2,3の設定を確認した後、Continueをクリックして次に進みます。
秘密鍵の作成
①Create a new Key Pairを選択して新しい秘密鍵を作成します。
②任意のKey pairの名前を付けます。
③名前を付けたKey pairをCreate & Downloadをクッリクすることで、作成、ダウンロードすることができます。
④Key pairを作成、ダウンロード後、Continueをクリックして次に進みます。
セキュリティーグループの作成
①Create a new Security Groupを選択して新しいセキュリティーグループを作成します。
②任意のセキュリティーグループ名を付けます。日本語は使えません。
③任意のセキュリティーグループ説明文を付けます。日本語は使えません。
④SSH、HTTP各選択後、Add Ruleをクリックして、TCP Port-22(SSH)と80(HTTP)を開きます。
⑤1~4を設定後、Continueをクリックして次に進んでください。
クラウドサーバー構築
解説したページ以外にも何ページか表示されることがありますが、Continueをクリックして次に進めば問題ありません。
①表示された内容で問題なければ、Launchをクリックすれば、自分だけのクラウドサーバーを構築できます。
ターミナルからクラウドサーバーを設定~PHP/mysqlインストールまで
EC2ダッシュボードのActions
EC2サーバーは構築できましたが、このままでは使い物になりません。そのため、自サーバーの設定する必要があります。先ほど、作ったKey Pairを使って自分のパソコンのコマンドラインから直接自サーバーの設定することができます。(Macのターミナルを使用)
①構築した自サーバーを選択します。
②その後、Actionsボタンをクリックします。
③Connectを選択します。
SSH接続
①二つの接続方法がありますが、今回は上のConnect with a standalone SSH Clientを選びます。セキュリティーグループ設定時、TCP Port-22(SSH)を開けとけばSSH接続が可能になります。
②ssh -iから始まるラインをコピーして、保存します。
ターミナルとUnixコマンド
先ほどダウンロードした秘密鍵を/Users下部にあるスペースに移動させ、パーミションをchmod 600 + 名前.pemで変更します。デフォルト設定では、pemキーはDownloadsフォルダにダウンロードされていると思います。ターミナルではUnixコマンドを使用します。
Unixコマンド
tabキー:入力補完と入力候補表示。
pwd:現在位置を出力。
ls:ファイル一覧を表示。
lsの後ろに -a,-lなどを付けるとファイル一覧表示にオプションをつけれます。
cd:ディレクトリの移動 mv:ファイル、ディレクトリの移動
chmod:ファイルのパーミションを変更
秘密鍵をUsers下部に移動させ、自身の居場所もUsers下部に移動させます。その後、先ほどコピーしたssh -iから始めるラインをそのままターミナルにペイストします。そうすると、(yes/no)と聞かれるので、yesと答えてください。
PHPとmysqlのインストール
この画像が表示されれば見事にAmazon EC2の自サーバへの接続は成功です。
PHP/mysqlをインストール PHP/mysqlのインストールは接続したターミナルに数行打ち込めば完了です。その前に、ターミナルのユーザー名がec2-user@….に変わっているか確認してください。
$ sudo yum -y install httpd php mysql と打ち込みます。インストールに少し時間が掛かります。
$ sudo service httpd start ここまで作業が済んだら、phpとmysqlがインストールされているか確認します。 $ php -v $ mysql –version と打ち込み、各バージョンが表示されたら大丈夫です。
動作確認
$ sudo vim /var/www/html/index.html を入力してファイルを作成します。ファイル内にHello Worldと打ち込み保存します。その後、アマゾンから振り分けられるIPアドレスで接続してみてください。クラウドサーバー上にWebページが作成されているはずです。
なにか質問がありましたらコメント欄にご記入ください。