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書籍が出版されます。マジっす。

By 2010/10/05 No tags Permalink

いやー。前回のエントリから5ヶ月も経ってしまいました。実はこの間セコセコと本を書いてました。毎日毎日作文をしていると、その他のところで作文をする元気がなくなってしまい、結果的にブログもなかなか更新できませんでしたとさ。まぁ、そんなの言い訳っすね。

そんなこんなで苦労した執筆作業ですが、先日無事入稿を終え、現在著者校正中です。現在手元には本になる前の、かつ、本ではない原稿の状態のもの(コイツをギョーカイ用語でゲラと言うらしいッス)があり、そこに赤ペンで修正を加えていくわけです。紙に修正すると書き直しができないので、僕は当然ながら紙をiPhoneでスキャンして、その写真にOneNoteで手書きの赤色を加えていくって感じで作業を進めています。

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11月中旬に講談社から刊行予定で、タイトルは

『戦略思考』の教科書

に決まりました!なんか参りますね。ちなみにタイトルを決めたのは僕ではありません。今回僕を担当してくれた講談社の編集者の方が、何度も何度も原稿を読み返した上で、タイトルを一生懸命考えてくださいました。ありがたや、ありがたや。

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戦略と言っても経営戦略ではなく、一人ひとりのビジネスマンが如何にして戦略的に考え、行動するか、そしてビジネスを拡大していくのか。このあたりの具体的な実践手法、というか、僕がマイクロソフトでやってきたことを本としてまとめたのが本書です。難しいことは一切なし。ビジネスの成果ってのは意外にほんの少し考え方や行動を変えてみるだけで、大きく変わったりするのかもしれません。それを戦略的にやるとより効果がデカイことを僕は経験しました。そして戦略的に考えるには、コツが必要なんです。しかも、そのコツってのは僕が実戦できるくらいだから大したもんじゃないんですよ。これまじッス。

若手ビジネスマンだけでなく、中堅以上のリーダーやマネージャにこそ読んでもらうために1日8時間以上は寝ずに書きました。もし、本屋さんで偶然見かけたら、何かのご縁だと思って必ず買ってください。宜しくお願いします m(_ _)m

組織 Re:Design -硬く、しなやかに-

By 2010/06/07 No tags Permalink

日本といえば当然日本刀です。刀です。強さと美しさを兼ね備えた完璧な武器です。ってみなさんよく知ってますよね。日本刀と言うのはまことに謎の武器で、平安時代にはすでにたたら吹きによる製鉄法が完成し、硬度の違う鋼を複数組み合わせる作刀の技術も完成していたようですが、基本的に口伝であり、文書として残っていないので、どうやって完成に至ったのか技術の変遷すらよくわかっていないそうです。

そんな日本刀が何と言っても凄いのは、硬すぎると折れる、柔らかすぎると曲がる、という鉄の特性に反して「硬くて、しなやかで、良く切れる」という三要素が見事に融合しているという点でしょう。

そのカラクリは芯金と呼ばれる刀の中心にある柔らかい鋼と、芯金を両側から包む側金(がわかね)という硬い鋼で構成されていることにあります。しかも芯金はさらに心金(しんがね)、棟金(むなかね)、刃金(はのかね)という3つの鋼から作られていて、心金(中心)は柔らかく、棟金(峰)は硬く、刃金は鋭く、という異なる特性を持っているって言うんだから徹底してます。それぞれ別個に鍛えられた、この4種類、計5つの鋼を詰め込んでまとめて鍛えることで、硬さとしなやかさを手に入れるわけです。

シンプルの究極にある日本刀は、実際には極めて複雑な構成と、複雑な工程、気の遠くなるような鍛錬を経てはじめて完成に至るわけです。

く、しなやかに

これは組織作りにおいても同じことが言えるのではないでしょうか。融通が利かない硬いだけの組織、みんながてんでバラバラでまとまっていない組織、いずれにしてもあまり良くないっすよね。このような組織は「単一振り子型」と言って、景気や社会の風潮、流行に影響を受けて、堅くなったり、柔らかくなったりする組織です。わかりやすい例で言えば、2005年、個人情報保護法の施行に合わせて、硬直化する組織が日本中に続出しましたが、あれはまさに振り子が突然「自律分散型」から「中央集権型」に振れたと言えるのではないでしょうか。

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組織の運営が会社の業績や市場の動向に合わせて極端に振れるのは無駄なエネルギーを消費するし、社員も疲弊することになります。前回ご紹介したフェアプロセスを実現するためには、一定の権限が現場に移譲され、一定の自治権が認められていることが重要になります。現場を一挙手一投足まで管理しようとすれば、現場は自発的に行動することを放棄します。当たり前です。かと言ってあまりに自由奔放では会社の信頼に関わるような失敗や不正が起きてしまう危険性があります。この硬さと柔らかさのバランスをいかにうまく取るかが組織運営の手腕と言えるでしょう。

権限の委譲と同時に責任を委譲することも忘れてはなりません。自由と責任が両方移譲されてはじめて自己組織化が実現できます。「学習型」の組織とは、中央集権に振れすぎた時には「自律化」するように、自律分散に行き過ぎた時には「有機化」するように自ら学習し軌道修正をするような組織です。

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どうすりゃこんな組織ができるんだい、と思ってしまいそうですが、それはひとえに、組織のコミュニケーションを円滑化すること、そして組織内の信頼を構築すること、という点にかかっているでしょう。ここで言うコミュニケーションとはメールを導入する、とか、ケータイをiPhoneにすると言うようなITの話だけでなく、ミーティングのあり方を変えてみるとか、報告の仕組みを変えてみる、というような仕組みを見直すということも含めて考える必要があります。

ちなみに、みなさんの組織はどうでしょうか? 硬くてしなやかな組織ってのは、一体どんなもんなのか、それをすぐにみんなで話し合い、ブレインストーミングをできますか? これができる組織は、すでにいい感じでしなやかだと思います。ITが進化したことでコミュニケーションは手軽でスピーディになりましたが、意思の疎通には信頼関係の構築が不可欠です。そして信頼関係はITだけではどうにも強固にすることはできません。むしろ関係が弱まる危険性さえあるので、十分に気を付けましょう。

コミュニケーション、信頼関係、IT、管理手法、これらが一つに融合してはじめて、硬くてしなやかな組織が完成するのではないでしょうか。もっとも何度も打ち直し、鍛えなければならないと言う点も日本刀と同じですが。。。

 

文責:筏井哲治

どんな芽が出るか

By 2010/06/04 No tags Permalink

 どんぐりという植物があります。リスとか熊がバリバリ食うヤツです。最近ではイベリコ的な豚が食うことで有名になったでしょうか。僕たち自身、大人になるとあんまり見かける機会はなくなりますが、子供がちいとばかしデカくなり始めると、再びどんぐり拾いという懐かしい野外活動に駆り出されることになります。僕も昨年の秋にどんぐり公園でどんぐりを拾ってきました。さすがどんぐり公園だけあって、いろんな種類のどんぐりが転がってました。

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 いやー、満足満足。箱に一杯集めたよってなもんです。しかし大事なのはここから。どんぐりってのは拾うところまでは良いが、そこで終わるケースがあまりにも多いのです。

 人というのは日々忙しさに追われていると、つい大切なことを見失ってしまうことがあります。これはもしかすると現代特有の問題と言えるのかもしれません。そうやって僕たちは、どんぐりが「種」である、という当たり前のことも、いつの間にか忘れ去っていくのです。これではどんぐりが不憫でなりません。。。。と言うことで、埋めました。わざわざプランターやら土やら買ってきて埋めてやりましたよ。

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 デカどんぐり、フツーどんぐり、トンガリどんぐりなど色んな種類のどんぐりをとりあえず適当にばらばらと撒き、そして土をかぶせて目が出るのを今か今かと待ちました。ってかどんぐりなんて埋めて本当に芽なんて出るんか??って感じです。

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 待ち続けるうちに、冬将軍がやってきて、どんぐりプランターの上にもどっさりと雪が積もりました。あ、終わったな、と思いました。どんぐり死んだって。しかも今年の冬はマジハンパない感じで雪が積もって大変でした。雪かきに追われているうちに、そもそも、どんぐりを埋めたことさえ忘れてました。ちなみに雪だるまの目に使っているのは、どんぐりではなく栗です。栗を雪だるまの目に使うとカワイイ感じになるのでご参考までにお伝えしておきます。

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 しかし、なんとも驚くべきことに、僕たちに忘れ去られても、邪険に扱われようとも、どんぐりどんは雪の下でがんばっていたのです。4月になり桜が咲き、ここ富山の田舎も色んな植物が一気に芽吹き始めました。そんな4月の末に例のプランターの近くを通りかかったら、なんかちっちゃいのが芽を出しているじゃありませんかー!これには正直驚きました。どんぐりが「種」ってのはわかっちゃいたけど、本当に双葉が出てきたりするとちょっとした感動です。

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 それからさらに2週間くらいすると、驚くべき量の新芽が次々を顔を出してきたじゃありませんか。出芽率高過ぎ。埋めたどんぐりほとんど芽が出たんじゃね?って感じです。どんぐりどんが埋まっているに決まっているけど、土の下は一体どうなってるのかもう気になって気になって仕方がありません。そんなワケでほじくり返してみました。そしたらホントにちゃんとどんぐりどんから芽と根が出てました。すげー。ここからわかることはどんぐりどんは横向きに埋めないとイカンってことですね。チューリップや水仙のように球根的な芽の出し方ではないことがわかりました。しかも小さな葉っぱが、ちゃんとどんぐりなのがめちゃ可愛いです。

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 それからさらに1ヶ月の現在(6月3日)、プランターはちょっとした森になってます。というか森過ぎたので、デカイやつだけ引っこ抜いて、植木鉢に移植しました。まーあの時集めたどんぐりどんがこんなにも青々と茂ることになるなんて想像もしてませんでしたから、これにはビックリです。 

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 これから先、我が家のどんぐりどんは一体どうなるでしょうか。大木になるのでしょうか。詳細は追ってご報告します。

 どんぐりは種である、ということはみんなが知っています。だけど、どんぐり拾いが公園での遊びに変わった瞬間、それが種であることはスッカリ忘れて、拾うだけで満足してしまうわけです。僕もこれまでの人生で、幾度となくどんぐりどんを拾ってきましたが、埋めて発芽させて、鉢植えにまでしたことは一度もありません。ってか、そんな発想もありませんでした。昨日の記事にも書いたように、現代人はとにかくインプットは多いです。この10年で見ても飛躍的に多くなっていると言えるでしょう。しかし、一方的に与えられる情報だけでは、そこからアイデアはなかなか生まれません。情報ってのはアイデアの種と言えます。集めるだけで終わっちゃもったいないですよね。アイデアの種も、どんぐりどんと同じように、土に埋め、肥料を与え、水を与えてみたらどうでしょうか。もしかしたら、想像もしていなかったようなアイデアの芽が顔を出すかも知れませんよ!

クダラナイことから真理を見つける

By 2010/06/03 No tags Permalink

  「アンテナを高くしろ」って最初に言った人は誰なんでしょうね。感度を良くして色んな情報を吸収しとけって意味なんでしょうか。でも、これってみんな、全員、世界中の人が「そんなに簡単にできりゃやってるよ」ってツッコみたくなるアドバイスでもありますよね。そもそも、そのアンテナの感度を測る方法もよくわかんないし、結局は出来る人は出来る、出来ない人は出来ないってことで落ち着く、と。

image 例えば最新のケータイの機種の情報とか、iPadとかKindleみたいな新しいデバイスについて、やたらと詳しい人がいます。「あ、そのケータイ、もしかしてN903?先週出たヤツだよね?」的な会話が出来る人です。どうやっていつそんな情報を仕入れているのか不思議でなりません。大抵「いや、ネットに出てたからさ」って軽く言いやがるわけです。知らねーよ。わかんねーよ。

 電子デバイスやガジェットに関してはやたら詳しかったお友だちも、ファッションの話になるとからっきしだったり、映画の話になるとさっぱりだったり、なんてことは当然起きるわけで、ここからわかることは所詮人は興味がないものに対して感度を高めることは無理か、無理じゃないなら苦行だよってことです。

 世の中情報なんて売るほど溢れてますから、全部頭にインプットするなんて無謀も良いとこですよ。やるだけ無意味。って諦めていたところに Apple が颯爽と現れて、無謀じゃないよ、コイツでキミのデジタルライフは変わるんだぜって iPhone や iPad が登場してきたわけです。これじゃ日本のPCメーカーが Apple に苦戦するのは仕方がないですよね。 Apple は僕たちのライフスタイルを変えちゃったんですもん。それに対して搭載しているCPUが Intel のなんとかってプロセッサだから凄いんです、なんて旧世代の戦いを挑んでいるわけですから勝負にならないですよね。

 そうは言っても Apple がこのまま独走することはありません。似たような製品や、あるいは Apple を超えるような製品もいずれ出てくるでしょう。間違いなく言えることは、情報の管理はますます便利で簡単になるってことです。インターネットはパソコンを起動して接続するものではなく、手のひらにあるデバイスからいつでもつなげられる時代になったのです。そうなると、これまでのように「たくさんの情報を集める=アンテナが高い」という概念そのものが崩れ去るのかも知れません。

 そして不思議なことに、このように高度にテクノロジが発達したからこそ、逆に真理を探求する力、それこそ古代から存在する哲学とでも言える根源的な思想が今一度求められているのではないか、と思うわけです。超便利なデバイスってのは、諸刃の剣でヘタすると頭がバカになっちまいますからね、なんとかそうならないよう、たとえクダラナイことであっても、常に一歩深く考え、真理を探求する癖をつけたいものです。僕はそれを Deep Dive と呼んでいます。

暗号化概説

By 2010/06/03 No tags Permalink

先日北陸のエンジニアグループで作る Hokuriku.NETの会から講演の依頼を頂きました。最近Hokuriku.NETは僕らにとってプレゼンの練習台みたいになっちゃってるのですが、どうもスミマセン。

そんなわけで今回も新しいネタで講演をさせて頂きました。と言っても今回は僕らっぽくなく「暗号化」というテーマで話をさせて頂きました。ちなみに僕自身も暗号化に関してはからっきしで1週間前まで中林氏と一緒に、どうしようどうしようと焦っていたくらいです。正直今もからっきしですが。

本当は動画があればトークも含めて載せたいところなのですが、残念ながらございません。プレゼンの資料だけでは全然面白くないかもしれませんが、一応載せておきます。わかんないことがあれば、調べてください。そして教えてください。宜しくお願いいします。

http://prezi.com/bin/preziloader.swf

筏井哲治

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