クダラナイことから真理を見つける

By 2010/06/03 No tags Permalink

  「アンテナを高くしろ」って最初に言った人は誰なんでしょうね。感度を良くして色んな情報を吸収しとけって意味なんでしょうか。でも、これってみんな、全員、世界中の人が「そんなに簡単にできりゃやってるよ」ってツッコみたくなるアドバイスでもありますよね。そもそも、そのアンテナの感度を測る方法もよくわかんないし、結局は出来る人は出来る、出来ない人は出来ないってことで落ち着く、と。

image 例えば最新のケータイの機種の情報とか、iPadとかKindleみたいな新しいデバイスについて、やたらと詳しい人がいます。「あ、そのケータイ、もしかしてN903?先週出たヤツだよね?」的な会話が出来る人です。どうやっていつそんな情報を仕入れているのか不思議でなりません。大抵「いや、ネットに出てたからさ」って軽く言いやがるわけです。知らねーよ。わかんねーよ。

 電子デバイスやガジェットに関してはやたら詳しかったお友だちも、ファッションの話になるとからっきしだったり、映画の話になるとさっぱりだったり、なんてことは当然起きるわけで、ここからわかることは所詮人は興味がないものに対して感度を高めることは無理か、無理じゃないなら苦行だよってことです。

 世の中情報なんて売るほど溢れてますから、全部頭にインプットするなんて無謀も良いとこですよ。やるだけ無意味。って諦めていたところに Apple が颯爽と現れて、無謀じゃないよ、コイツでキミのデジタルライフは変わるんだぜって iPhone や iPad が登場してきたわけです。これじゃ日本のPCメーカーが Apple に苦戦するのは仕方がないですよね。 Apple は僕たちのライフスタイルを変えちゃったんですもん。それに対して搭載しているCPUが Intel のなんとかってプロセッサだから凄いんです、なんて旧世代の戦いを挑んでいるわけですから勝負にならないですよね。

 そうは言っても Apple がこのまま独走することはありません。似たような製品や、あるいは Apple を超えるような製品もいずれ出てくるでしょう。間違いなく言えることは、情報の管理はますます便利で簡単になるってことです。インターネットはパソコンを起動して接続するものではなく、手のひらにあるデバイスからいつでもつなげられる時代になったのです。そうなると、これまでのように「たくさんの情報を集める=アンテナが高い」という概念そのものが崩れ去るのかも知れません。

 そして不思議なことに、このように高度にテクノロジが発達したからこそ、逆に真理を探求する力、それこそ古代から存在する哲学とでも言える根源的な思想が今一度求められているのではないか、と思うわけです。超便利なデバイスってのは、諸刃の剣でヘタすると頭がバカになっちまいますからね、なんとかそうならないよう、たとえクダラナイことであっても、常に一歩深く考え、真理を探求する癖をつけたいものです。僕はそれを Deep Dive と呼んでいます。

No Comments Yet.

Leave a Reply