衝突する2つの聖都
イエス=キリストを始祖とするキリスト教はローマ帝国のユダヤ地区で細々と始まりました。その後、ローマ帝国の弾圧になんとか耐え、約250年後、キリスト教はローマ帝国の国教となりました。西ローマ帝国の滅亡によりローマ=カトリックはカール大帝の戴冠までの間、コンスタンティノープル教会の支配下に置かれていました。カール大帝戴冠により、ローマ=カトリックと正教会=コンスタンティノープルの衝突は避けられない事態になりました。
受験で世界史を選択した方は記憶させえられたであろう年号の1453年に東ローマ帝国の難攻不落の都市コンスタンティノープルはオスマン帝国に陥落させられましたが、この事件より50年前に同じキリスト教を信仰する西ヨーロッパ連合=第4回十字軍により、こっそり征服されていました。十字軍は元々、異教徒であるイスラム教から聖都エルサレムを奪還するために設立された組織でしたが、第4回十字軍は正教会=コンスタンティノープルを攻略し、略奪、殺戮を繰り広げました。その結果、キリスト教国家の相対的な力の低下を招き、イスラム教=オスマン帝国に長らく東ヨーロッパの大部分を支配されることになりました。
オタクの聖地はどこ?
オタク(アニメ、漫画、ラノベ)の聖地はどこでしょうか。勿論、秋葉原だよ、と思うかもしれませんが、秋葉原がオタク界の一等国になったのはつい最近の出来事です。1990年代後半より徐々にアニメオタク人口が増加し、2004年に放送された電車男の影響により一般の人々から秋葉原=アニメオタクの街として認識されるようになりました。
しかし、秋葉原は元来、アニメの聖地だった訳ではありません。1980年代に電気街として有名になり、1990年代前半にはコンピュータの街になりました。それでは、どこが元祖、オタクの聖地だったのでしょうか。答えは、池袋です。池袋は手塚治虫、藤子不二雄が居住していたトキワ荘があり、オタク界を牽引する土壌が形成されており、秋葉原が台頭してくるまでオタク界の一等国の地位にありました。
生存戦略、しましょうか!
秋葉原陣営は既に100店以上のオタクショップ(アニメート、K-books、とらのあな)を設営しています。対する池袋陣営は、15店程度の拠点しか設営できていず、窮地に追い込まれていました。そのため、池袋陣営は生き残りを賭けて、女性向けオタクショップに特化する戦略を採用しました。
先日、僕が池袋のK-booksに行った時、店内に25名程度のお客がいましたが、男性は僕一人でした。今後、アニメグッズを買うため、秋葉原もしくは池袋に行く場合は購入目的に合わせて街を選択した方が有意義な買い物を楽しめると思います。ちなみに、秋葉原が台頭する以前は、池袋に男性向けの商品と女性向けの商品が両方陳列されていたため、店内では男性も女性も視線を落とし、目を合わせないようにしていたそうです。
明日への扉
ローマ=カトリックとコンスタンティノープルの対立により、オスマン帝国=イスラム教が漁夫の利を得ました。萌え文化と腐女子文化がこのまま対立して、お互いの力を削ぐことになってしまったら外国諸国に漁夫の利を得られる結果になり兼ねません。イデオロギーの違いを乗り越え、共に世界に輝く日本のポップカルチャーを発信できたらいいなと思います。
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