どんぐりという植物があります。リスとか熊がバリバリ食うヤツです。最近ではイベリコ的な豚が食うことで有名になったでしょうか。僕たち自身、大人になるとあんまり見かける機会はなくなりますが、子供がちいとばかしデカくなり始めると、再びどんぐり拾いという懐かしい野外活動に駆り出されることになります。僕も昨年の秋にどんぐり公園でどんぐりを拾ってきました。さすがどんぐり公園だけあって、いろんな種類のどんぐりが転がってました。
いやー、満足満足。箱に一杯集めたよってなもんです。しかし大事なのはここから。どんぐりってのは拾うところまでは良いが、そこで終わるケースがあまりにも多いのです。
人というのは日々忙しさに追われていると、つい大切なことを見失ってしまうことがあります。これはもしかすると現代特有の問題と言えるのかもしれません。そうやって僕たちは、どんぐりが「種」である、という当たり前のことも、いつの間にか忘れ去っていくのです。これではどんぐりが不憫でなりません。。。。と言うことで、埋めました。わざわざプランターやら土やら買ってきて埋めてやりましたよ。
デカどんぐり、フツーどんぐり、トンガリどんぐりなど色んな種類のどんぐりをとりあえず適当にばらばらと撒き、そして土をかぶせて目が出るのを今か今かと待ちました。ってかどんぐりなんて埋めて本当に芽なんて出るんか??って感じです。
待ち続けるうちに、冬将軍がやってきて、どんぐりプランターの上にもどっさりと雪が積もりました。あ、終わったな、と思いました。どんぐり死んだって。しかも今年の冬はマジハンパない感じで雪が積もって大変でした。雪かきに追われているうちに、そもそも、どんぐりを埋めたことさえ忘れてました。ちなみに雪だるまの目に使っているのは、どんぐりではなく栗です。栗を雪だるまの目に使うとカワイイ感じになるのでご参考までにお伝えしておきます。
しかし、なんとも驚くべきことに、僕たちに忘れ去られても、邪険に扱われようとも、どんぐりどんは雪の下でがんばっていたのです。4月になり桜が咲き、ここ富山の田舎も色んな植物が一気に芽吹き始めました。そんな4月の末に例のプランターの近くを通りかかったら、なんかちっちゃいのが芽を出しているじゃありませんかー!これには正直驚きました。どんぐりが「種」ってのはわかっちゃいたけど、本当に双葉が出てきたりするとちょっとした感動です。
それからさらに2週間くらいすると、驚くべき量の新芽が次々を顔を出してきたじゃありませんか。出芽率高過ぎ。埋めたどんぐりほとんど芽が出たんじゃね?って感じです。どんぐりどんが埋まっているに決まっているけど、土の下は一体どうなってるのかもう気になって気になって仕方がありません。そんなワケでほじくり返してみました。そしたらホントにちゃんとどんぐりどんから芽と根が出てました。すげー。ここからわかることはどんぐりどんは横向きに埋めないとイカンってことですね。チューリップや水仙のように球根的な芽の出し方ではないことがわかりました。しかも小さな葉っぱが、ちゃんとどんぐりなのがめちゃ可愛いです。
それからさらに1ヶ月の現在(6月3日)、プランターはちょっとした森になってます。というか森過ぎたので、デカイやつだけ引っこ抜いて、植木鉢に移植しました。まーあの時集めたどんぐりどんがこんなにも青々と茂ることになるなんて想像もしてませんでしたから、これにはビックリです。
これから先、我が家のどんぐりどんは一体どうなるでしょうか。大木になるのでしょうか。詳細は追ってご報告します。
どんぐりは種である、ということはみんなが知っています。だけど、どんぐり拾いが公園での遊びに変わった瞬間、それが種であることはスッカリ忘れて、拾うだけで満足してしまうわけです。僕もこれまでの人生で、幾度となくどんぐりどんを拾ってきましたが、埋めて発芽させて、鉢植えにまでしたことは一度もありません。ってか、そんな発想もありませんでした。昨日の記事にも書いたように、現代人はとにかくインプットは多いです。この10年で見ても飛躍的に多くなっていると言えるでしょう。しかし、一方的に与えられる情報だけでは、そこからアイデアはなかなか生まれません。情報ってのはアイデアの種と言えます。集めるだけで終わっちゃもったいないですよね。アイデアの種も、どんぐりどんと同じように、土に埋め、肥料を与え、水を与えてみたらどうでしょうか。もしかしたら、想像もしていなかったようなアイデアの芽が顔を出すかも知れませんよ!
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