コンピュータという宇宙船に乗って

By 2010/11/29 No tags Permalink

前回のエントリがちょっとした物議を醸したようですが、ここでブーブー文句を言っているだけでは、結局子供にとっては何の足しにもなりやしません。せっかく子供が星に興味を持ったんだから、もう少し星のことを調べ、そして実際に星空を眺めながらあーだこーだ教えてやるべきではないでしょうか。

そんなわけで、僕は家に帰ってから娘にはパソコンでプラネタリウムを見せてやりました。その時に使ったのが以前国立天文台の研究者の方から直接ご指導頂いた、国立天文台がフリーで提供してくれている「Mitaka」というソフトウェアです。Mitakaとは東京都三鷹市に因んだもので、国立天文台があるところです。これが非常に素晴らしいソフトウェアなので、ここでご紹介しておかねばならぬでしょう。

  • インストール

国立天文台4D2UプロジェクトのHPにアクセスしましょう。下の方にスクロールするとダウンロードができます。最新バージョンをダウンロードしましょう。でもって、次はMitaka PlusのHPにアクセスして、最新バージョンをダウンロードしましょう。

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どちらも解凍したらMitaka Plusの中身をMitakaのフォルダ直下にごっそり上書き保存しましょう。これでカンペキ。

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あとはMitakaを起動するわけですが、ここでMitaka(.exe)というファイルで起動するのではなく、より高機能化された差分Mitaka_Plus(.exe)というのを使って起動しましょう。

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Mitaka Plus が起動しました!

  • プラネタリウムモード

普通に起動するとまずはプラネタリウムモードってのになります。

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ターゲット>観測値設定、で見慣れた場所(オイラにとっては)を観測地点にすることもできたりしますよ。

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表示を変えることで、プラネタリウムっぽく星座の名前や星座の線や絵を表示することもできますよ。

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一気にプラネタリウムっぽくなりましたよ。

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広角になり過ぎて地平線がヘンな感じなったら、表示>視野角をリセット、すれば大丈夫ですよ。Mitakaというか天体シミュレーションの面白いところは、自分で好きなように表示を変えたり、月日を変えたり、観測場所を変えたりできるところですね。見ていて飽きません。

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  • 宇宙空間モード

Mitakaのなんと言っても最高に面白い機能は、この宇宙空間モードでしょう。Mitakaロケットに乗って宇宙へ飛び出すぜ!

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離陸すると、我らが地球が見えてきます。なんとも美しいです。ぽっかり宇宙に空間に浮いている感じがしますね。

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僕たちは今光の速さ以上で飛べる宇宙船に乗ったようなもんです。マウスをくるくるするとどんどん僕らの宇宙船は地球から離れて行きます。画面をドラッグすることで視界の方向を変えることもできますよ。

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どんどん地球から離れていくと月の軌道が見えてきました。地球から35万キロの距離です。遠すぎて想像もできませんね。ターゲットを月に変更することで、月に離着陸することもできちゃいます。

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月から地球を眺めたらどんな感じなんでしょうね。

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再び離陸してターゲットを地球に設定しなおしました。さらに地球から遠ざかると遠くに太陽が見えてきました。水星や金星、火星などの地球と同じ岩石惑星も視界に入ってきましたね。

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当然ながらターゲットを切り替えれば、火星にも着陸できますよ。手前に見えるのはあのマーズパスファインダーでしょうか。

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再び離陸してターゲットを地球に切り替え、さらなる旅に出ます。地球も太陽も随分遠くなりました。このあたりでキロメートルで表示するのが若干しんどくなってきます。あまりにスケールが大きいからですね。というわけで地球と太陽の平均距離1億5000万キロメートルを1天文単位と呼びます。

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火星と木星の間には小惑星帯という隕石がびゅんびゅん飛んでいるエリアがあります。この中のアポロ群という比較的地球に近い周回軌道を持つ小惑星の中にハヤブサが着陸したあのイトカワがあるんですね。ハヤブサはまる2年かけてイトカワまで行って、丸5年かけて地球に帰ってきたんですね。すごいわー。

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冥王星の向こうまでやっきてしまいました。もうどんな距離なのかさっぱり想像もつきません。

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1万天文単位となると、もはや単位を切り下げたにも関わらず、またインフレを起こしたような状態になってきました。このあたりから次の単位が使われます。そうです。有名な1光年です。約6万3000天文単位くらいで、このへんがオールトの雲と呼ばれる、太陽系の最辺縁部です。

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地球から遥か離れて4.2光年。ついにはじめてお隣りの星が現れます。アルファ・ケンタウリです。星ってのはものすごいたくさんあるようで、実は一つ一つはずいぶんと離れているってことですね。

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ここから1000光年くらいまでの間に、僕らがよく知る星が次々と現れます。そりゃそうですよね。地球から近い星ほど1等星になりやすいですもんね。

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1000光年まで来るともはや星が多すぎて何がなんだかさっぱりわかりません。スゴイ数です!

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1万光年となると星は点ではなく霧のように見えてきます。もしかして向こうに輝く雲のようなものは、、、?そうだ。太陽系が属する銀河、すなわち天の川銀河の中心だ!

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偉そうなことを言ったって、太陽系の住人は銀河の中心から見たら端っこの片田舎なんですね。。。

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天の川銀河を縦から見た時に、川のように見えるから天の川なんですね。

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何億個もの星が集まっている天の川銀河すら点にか見えなくなるほど遠くにやってきてしまいました。100万光年です。

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信じられないかもしれませんが、この視界にある点はすべて「銀河」や「星雲」です。決して1個の星ではなく何千万、何億と星が集まった銀河の点です。

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繰り返しますが、これらの点すべてが一つの銀河です。1億光年のところまでやってきました。

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10億光年を超えてくると、黄色い点の代わりに青い点が増えてきました。これは黄色い点はこれ以上描画すると真っ黄色になっちゃうから描画をするのをやめただけで、青色は銀河ではなくクェーサーと呼ばれるこれまたちょっと変わった銀河で、ものすごいエネルギーを吹き出している活動銀河だそうです。

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そしてついに地球から最も遠いところへやってきてしまいました。100億光年の彼方です。とんでもないことになっていますね。

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とまぁ、こんな感じで宇宙をひとっ飛びできるMitakaですが、宇宙のスケールを少しは感

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